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Sunday, October 20, 2019

イタリアのファヴィニャーナ島で受信されたRKB毎日放送


イタリアのファヴィニャーナ島で受信されたRKB毎日放送
RKB Mainichi Hoso received on Favignana Island, Italy

 RealDXのメーリングリストに、イタリアのMW DXerであるAndrea Lawendel,
アンドレア・ロウエンデルさん(以下アンディさん)から、10月17日の17:43UTCに、自分がファヴィニャーナ島で受信した周波数1278kHzのこの局は日本のRKB毎日放送だろうか?という問い合わせが受信音声ファイルと一緒に送られてきました。

Fig.1 アンディさんから送られてきたファヴィニャーナ島の写真

 
 このファヴィニャーナ島は、地中海シシリー島側の観光地となっている島であり、海の透明度が抜群に良いことで有名です。アンディさんによると、この島はかつてマグロ漁の基地とマグロの処理工場があり、よく日本の企業もこの島に新鮮なマグロの買い付けにきていたとのことです。しかし現在はマグロの乱獲が問題となり、マグロ漁は禁止されてしまったそうです。

Fig.2 ファヴィニャーナ島の位置(シシリー島のすぐそばにある)

 ファヴィニャーナ島の動画もYoutubeからピックアップしたものを掲載しておきます。こんなところで数週間のんびりと飽きがくるまで過ごしてみたいものですね。


 さっそく送られてきた音声クリップを再生して聴いてみると、フェージングを伴って別の局のバック(アンディさん曰く、イランのラジオ局とのこと)に日本語が聞こえていました。1278kHzの周波数を割り当てられている日本の中波局はRKB毎日放送しかないので、日本語が聞こえている段階で同局であることは確定なのですが、じっくり日本語を聞いてい見ると、日本広告機構のコマーシャルの他に、RKBの櫻井浩二アナウンサーの看板番組インサイトの番組コマーシャルも流れていました。このことをアンディさんにメールで伝えるととても喜んでくれました。

Fig.3 RKB櫻井浩二アナの看板番組インサイト

 DX歴45年のアンディさんによると、なんでもイタリアで日本の中波局を受信するのはとても難しいとのことです。私が是非自分のブログでアンディさんのRKB受信成果を紹介したいと伝えると、「光栄です。」と快く承諾してくださいました。

アンディさんは、ファヴィニャーナ島での庭先に8mのワイヤーとALA100のプリアンプを使ってループアンテナを構築して同局を受信されたそうです。 では、早速アンディさんがファヴィニャーナ島で受信したRKB毎日放送の音を聞いてみましょう。冒頭外国語混信がありますが、数秒後から日本語が浮き上がってくるのがわかります。ファイルの先頭から37秒後付近から、櫻井浩二アナの番組「インサイト」のコマーシャルが始まるのがわかるかと思います。

これがイタリアで受信されたRKB毎日放送の音!

受信日時 2019年10月17日 17:43UTC
受信地 イタリア・ファヴィニャーナ島
使用アンテナ ループアンテナ+ALA1000
受信者 Andrea Lawendel

(再生できない場合は、しばらく経ってから再生してみてください。これはGoogleの仕様です。ごめんなさい。m(__)m)

 10月17日の17:43UTCの夜間エリアの状況を次の図に示します。アンディさんは、日没直後くらいにRKB毎日放送を受信されたのですね。いわゆる一次伝搬というものでしょうか。伝搬距離はおよそ9800kmもあります。

Fig.4 10月17日の17:43UTCの夜間エリアの様子

Fig.4 アンディさん自作の8mループアンテナ(赤いケーブルがそうだと思われます)

 RKB毎日放送の放送波は地中海まで良く飛ぶもんだなあと思い、送信アンテナはどこにあるだろうとグーグルマップで調べてみて思わず「なるほどね」と思ってしまいました。RKB毎日放送の送信アンテナは、海の干拓の中に建っていました。目の前は海であり、海利得(シーゲイン)の恩恵を充分に受けていると考えられます。海利得についてお知りになりたい方は、戸塚DXersサークルの季刊誌PROPAGATION Edition.4 の91ページに掲載させていただいた私の執筆記事「中波帯の海利得(Sea Gain)について ~なぜ海岸付近での中波DX ペディションが有利なのか~」を参照いただければ幸いです。

  ところでこの送信鉄塔、塩害対策は取ってあるとは思うのですが、どんな対策が取られているのか個人的にはとても興味があります。


Fig.5 RKB毎日放送の送信アンテナ(福岡県和白干拓)Google Earthより

 アンディさんもこの海利得のことについては、海岸効果(Coast Effect)という名前でご存知でした。海岸付近で受信すると、例えばTPDX(太平洋越えの中波DX)もちょっとしたトランジスタラジオで可能になったりします。次の動画は、千葉県・太東埼で実際に北米西海岸の中波局を受信した様子です。海利得のおかげで高級な受信機や大型のアンテナを使わなくても結構受信できてしまいます。アンディさんも海岸効果の恩恵を享受すべく、シシリー島やこのファヴィニャーナ島にミラノからDXペディションに来ていらっしゃっているとのことでした。我々が東北の三陸等にDXpeditionに行くのと似ていますね。


  アンディさんは、ここファヴィニャーナ島はノイズも少ないだろうと期待していたらしいのですが、実際は夏休みということもあって、人が多いところはノイズも多く期待通りではなかったとのことでした。ここは中波DXerなら誰しも悩むところですね。

1 comment:

Andrea Lawendel said...

What a honor, Thank you, Fumiaki-san! I'll be happy to help you to organize a DXped in Favignana. A fish restaurant with a Japanese chef is waiting for you in the sunny season, which lasts from may to october here in Sicily. Raw fish and sea food, albeit prepared in different non-sushi style, is a tradition in many Southern Italy regions. From here you can try Africa and Latin America on MW, and the sporadic E and tropo ducting season on FM is great fun too. A bit of noise from the local thermoelectrical plant, but plenty of space to erect KAZ, flags and even short beverage antennas. Sea, climate, food and archeology alone make for a an unforgettable trip abroad, I'm waiting for you and fellow DXers from Japan!