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Monday, September 16, 2019

中波DXと北極のオーロラその2

中波DXと北極のオーロラ その2
MW DXing and Aurora Borealis Part 2

 今回は、中波DX、特にTPDXで北極伝搬を狙う場合にオーロラについて知っておくべきことをまとめてみようと思います。オーロラは、北極や南極エリアの夜空に展開される不思議な緑や赤等の美しい発光現象のことですが、いくつかの文献を読んでみたところ、その発生原因は、詳細な理屈を抜きにして、ものすごくざっくり言うならば、 

  1. 地球は磁石であり、磁力線は南極から北極に向かって伸びているが、太陽から吹いている磁気を帯びた高温の電離したガス(プラズマ)、いわゆる太陽風によってこの地球の磁力線は、太陽に面するエリアでは押しつぶされ、太陽から離れる方向には吹き流されるような状況になっている(図1参照赤い線が地球の磁力線
  2. 太陽面から、大量のプラズマが一気に高速に噴き出ることがある。これをコロナ・マス・イジェクション(CME)と呼ぶが、CMEが地球に到達し、そのプラズマの磁力線の方向が南向きだった場合、地球の磁気の向き(北向き)と打ち消し合って、太陽風で運ばれてきた大量のプラズマが地球の磁力線に沿って、南極側、北極側に流入する。また、地球から離れる方向に伸びている磁力線が徐々に近づき、再結合をする場合がある。これを磁気リコネクションというが、この磁気リコネクションが発生すると、プラズマが南極、北極の夜の部分に磁力線に沿って大量に流れ込む。
  3. 磁力線に沿って流れ込んだプラズマが、大気中の窒素分子や酸素原子に衝突すると、発光現象が発生する。これがオーロラ。

Structure of the magnetosphere-en
Fig.1 地球磁気圏と太陽風の関係
 
さて、細かい話は抜きにして、次のNASA提供のYoutubeの動画を見てください。太陽から飛び出したプラズマが地球に到達した時に、北極、南極にプラズマが流入し、発光しているCGが描かれています。全編英語による解説ですが、CGを見ることで、大方の理解はそう難しくはないはずです。(こういうところ、流石NASAだと思いますね。)太陽表面から飛び出したプラズマは18時間で地球に到達するそうです。
  
さて、オーロラは、南極、北極エリアにどのように分布しているのでしょうか?オーロラが発生するエリアは、卵型のように若干ゆがんだ楕円形のような形になっています。これをオーロラ・オーバルと呼びます。図2の動画は、南極エリアに生じているオーロラの分布(オーロラ・オーバル)です。北極エリアにも同様にオーロラ・オーバルは存在します。
Fig.3 南極のオーロラ・オーバル
(出典:Wikipedia 原典: NASA Earth Observatory)
 このオーロラ・オーバルは、NOAAよる30分毎の予測データをインターネット上で確認することができます。ここをクリック 図3に予測データの例を示します。
Fig.3 NOAAによる予測結果の一例(北極エリア)
 
   さて、このオーロラの発生している場所(オーロラ・オーバル)に中波伝搬路(地表波でない)があると電波吸収が著しく発生し、中波電波伝搬に悪い影響を与えることが、中波DXとオーロラその1で紹介した、アラスカ大学のハンサッカー名誉教授とランカスター大学のハーグリーブス博士の調査によって明らかにされています。この調査結果については、次回、引用しながら紹介したいと思います。(その3に続く)
 

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