中波DX用のシェアードエイペックスループアンテナの予備検討(1)
中波DX用にシェアードエイペックスループアンテナの検討を開始しました。シェアードループエイペックスループアンテナは、アメリカのアマチュア無線家マーク・バウマン(KG7BF)さんが開発したアンテナで、その基本形は、直列にならべた2基のデルタループアンテナの出力を位相をずらして合成したものになります。カージオイド特性等が生まれるために、TDDFアンテナ(D-KAZアンテナ)と同様にFB比を稼ぐことが可能です。同サイズのTDDFアンテナと比較してアンテナ利得は高い結果が得られるようです。
マークさんご自身による、シェアードエイペックスループアンテナの紹介動画はこちら(英語)。
まずは、基本的なところから理解しながら設計してみることにします。そのためにはまずデルタループアンテナについて十分に理解しておく必要があると思い、アンテナシュミレーターの4NEC2でデルタループアンテナの出力インピーダンス特性をシミュレートしてみました。ループアンテナとしては全長が波長に比べてとても小さいため、微小ループアンテナの範疇の話となります。
上の図は、検討したデルタループ1基の寸法と、アンテナインピーダンスのシミュレーション結果です。グラウンドの導電率はアベレージを選択しています。ループアンテナなので、ご多聞に漏れず抵抗成分はとても小さく、そのかわりに、リアクタンス成分は数百Ωもあります。ワンターンのコイルみたいなものなのでしょう。等価回路的には、交流電圧源に抵抗とコイルが直列接続になったものと考えることができます。
昨今の中波DXはSDRで中波帯域(530kHz~1700kHz)を一気に丸ごと収録し、後で時間をかけて解析するという手法がポピュラーです。そのためには、中波帯域をくまなくカバーするアンテナにする必要があります。もちろん、アンテナ自身のもつ周波数特性は変えられませんが、給電のやり方を上手くしないと、中波帯域のLow側の感度が悪くなったり、High側の感度が悪くなったりする可能性があります。アンテナの持つ利得を充分に活用するには、給電のやり方(受信機へのつなぎ方)を良く検討する必要がありそうです。
共振回路をつければ、特定の周波数、特定の極狭い帯域で使うことは可能ですが、SDRを使っての記録を考えると、一部の周波数だけ良く聞こえても不満が残ります。
世の中にはいろんなアイデアを持っている人達がいて、例えば、Braodband Impedance mathcing of a Loop antenna(1966)という論文もありました。これはループアンテナとLCR回路を組み合わせて、必要通過帯域を持つローパスフィルター等に変身させてしまえというアイデアのようです。
とりあえず今日はここまでです。ブログを書くことで頭の整理にもなるような気がしています。ご興味ある方で、私の認識に間違いがありましたら優しくご教授いただければ幸いです(続く)。
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