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Monday, January 28, 2019

岩波科学ライブラリー243 「オーロラ!」を読んで

 昨年11月に、北米東海岸局をキャッチしてから、太陽活動の極小期の最後のチャンスかもしれない今年も、仲間と一緒に絶対にさらに他の北米東海岸局をキャッチしたく、あれこれ文献を読み漁っているところです。日本と北米東海岸を結ぶ電波伝搬ルートは北極付近を通過するのですが、この伝搬ルート上にオーロラが出現すると伝搬状況が悪化するらしいことがわかりました。オーロラが出現すると、そのエリアでは地磁気が大幅に乱れることから、カナダでは過去に電力線に誘導電流が流れ変電所の事故等が報告されているようです。これまでオーロラについてはぼんやりとしか理解しておらず、そもそもオーロラって何?自分本当にわかってる?と思ったこともあり、早速アマゾンで注文し、今夜はこの本を読んでいました。この本は、国立極地研究所准教授の片岡龍峰さんが執筆されていて、大変易しくオーロラについて解説してくれていることもあり、オーロラの基本について理解することが出来ました。また中波DXでちょくちょく話題になる、太陽風磁場の南向き成分についても詳しく書かれていて勉強になりました。

 約100ページ程の本なので、約2時間程度で読めてしまいます。オーロラについてサクッと知りたい方にはお勧めいたします。1300円はちょっと高いかもしれませんが、オーロラの基本からオーロラの最新研究まで網羅されているのでお得感はあります。

 我々、北極越え中波伝搬を追い求める者にとっては、オーロラは絶対出て欲しくない(笑)一方で、オーロラが出て欲しいと願う片岡先生のような方もいらっしゃる。両者は全く真逆ですが、先生の本を読むと、何か不思議なものを追い求める根っこの部分はお互い同じなのかもしれないと思いました。この本に後半に、オーロラ観測の極意と題して、コツや使用機材について詳細にかかれているのですが、そこに宿る熱意にはまさに我々の中波DXペディションのそれに近いものを感じました。片岡先生のオーロラ講座があるならば、ぜひ一度聴講したいと思った次第。逆に片岡先生に北極越え伝搬のことを話したら興味示してくれるかなあ(^_^;)。



 この本を読んだ後、NHKオンデマンドでNHKスペシャル”宇宙の渚”第2集 天空の女神 オーロラを観て、さらに理解が深まりました。CGによる立体的な表現は科学番組にはうってつけですね。特に裏側から太陽風で運ばれてきた電子が回り込んで、地球の磁場に遮られながら、北極に落ち込んでオーロラ環(オーロラオーバル)を形成する様子を描いたCGは圧巻でした。この電子の流れは「ビルケランド電流」と呼ばれるとこの本には書かれていました。あ、そういえば、宇宙戦艦ヤマト2199で真田さんが、恒星グリーゼ581のフレアにヤマトが向かわざるをえないガミラスの罠に引っ掛かった時、ヤマトに異常をきたした原因もこの「ビルケランド電流」でしたねww。ヤマト2199の製作スタッフはいろいろ勉強されていたんですね。流石!


オーロラの動画は、Youtubeで沢山見ることができますが、これはなかなか素敵な動画です。グラフィックボードのいい奴を搭載しているPCをお持ちの方は、ぜひ4Kモードで部屋を暗くしてみるとなかなかですよ!



追記:片岡先生によるオーロラ研究のご紹介の様子はこちら。先生のこの本を読んだ後、この講座の動画を見ると、先生のされているオーロラ研究への理解が大変深まりますよ!



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