「峯松君、中波でなんでこんなに英語が聞こえてくるんだ!すごいなこれ。」
と彼は驚いていた。そしてようやく、峯松がハマった理由がわかったよと。(笑)その驚いた彼の顔は、小学生の頃の顔に戻っていた。懐かしい当時の思い出話が次々出てきた。
小学生の頃はアナログ選局ダイヤルを回して、リアルタイムに特定の周波数を聞くしかなかったのだが、今やソフトウェアラジオで、中波の全帯域(530-1700kHz)を一括収録して、好きな時間に好きなだけオフラインで聞くことが可能になっている。
友人はすでにこういった趣味からはすっかり遠のいていたのだが、しばらくソフトウェアラジオを触ってもらっていたら、名言を吐いた。
「峯松君、これは攻めのDXingだね。」
中波DXは太陽活動に大きく左右されるため、太陽活動が停滞し、中波伝搬のコンディションが上がってくるまではある意味何年もの「待ち」なのかもしれない。しかし、昨年、今年と太陽活動がミニマムになっているこれらシーズンには、積極的に攻めのDXingをすることが重要だと思う。
そして、アメリカ東海岸局、西海岸局、そして300mビバレージアンテナで東北海道で受信されたヨーロッパ言語の飛び交う様々な中波局を聞いた彼はもう一つ憎いことを僕に言った。
「峯松君、海は7つに分かれているけど、空は一つに繋がっているなあ。」
至極当たり前のことかもしれないが、僕の中の琴線に触れた。50歳台の無線技術者はこの言葉には何かしら心動かされるものがあると思う。小学生だったあの頃、ベランダから夕方の空を見上げて、海外からの電波が遠距離を経て伝わる不思議に魅了され、外国に思いを馳せたことを思い出した。
住む場所や国は違っても、空は繋がっている。そしてその空を通じて、電波はやってくる。
夕刻、長崎から戻る特急の車内で、別れた友人とLINEで会話をしていた時のこと、友人が
「中波DXは男のロマンだね。」
とメッセージを送ってきた。僕は、宇宙戦艦ヤマトのアイコンがあることを思い出し、真田技術長のアイコンを素早く返したら、彼に大いに受けた。(笑)
今回、彼に久しぶりに会えて良かったと思う。
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