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Friday, May 17, 2019

Preliminary study on Shared Apex Loop antenna for MW DXing (7)

    中波DX用のSALアンテナの予備検討(7)

 本職が繁忙ゆえ、なかなかブログが更新できません。

 ループアンテナ電流を取り出すべくIV変換器の検討をしてきました。LTSpiceを使って、ある程度見込みがたったのですが、実際に実験をしようとすると、二つの給電点に個別にこのIV変換器を設置しなければなりません。電源の供給もバイアスティー等を検討しないといけなくなり、かなり面倒だなあと思うようになりました。そこでIV変換器による給電回路の検討はペンディングとして、予備検討としては、SALアンテナの動作をまず確認することが大切ですので、下記のテスト回路でSALアンテナを動作させてみて、様子を観察することとしました。(図面上のディレイラインの遅延量は同じになっていますが、実際には片方の遅延時間を増やします。→後述)

 低抵抗とインダクタンスの等価回路で表されるループアンテナをカレントトランスフォーマーで給電すると、RL回路のローパスフィルタになってしまうため、高域が低下します。ただし、ループアンテナの誘起電圧は周波数に比例します。総合特性は、コンバイナー出力で、遅延量ゼロの時、周波数500[kHz]で 入力に対して電圧比-6dB、周波数2[MHz]で-16dBという結果になりました。そこでコンバイナー出力に+16dBの非反転アンプを追加しました。出力周波数特性は周波数500[kHz]に対して周波数2[MHz]の方が約5dB程高くなっています。


 ディレイラインとしては、5D-2Vを23.7m程片方のデルタループアンテナ側に追加します。3D-2Vのほうが取り扱い安いのですが、ディレイラインによるロスが気になるので5D-2Vにしました。5D-2Vの波長短縮率は67%ですので、この長さで約38.9[nsec]の遅延時間が得られます。これは、周波数1[MHz]で約14°の位相差に相当します。

 SALアンテナの肝は、位相合成の部分です。また二基のアンテナは同一でなければならないため、同寸法できちんと設置しなければなりません。またコンバイナーも良好に動作するものでなければなりません(続く)。


Fig.1 SALアンテナの試験回路

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