給電用RFトランス用トロイダルコアの調査
(2019.06.16 誤記訂正と追記しました)
SALアンテナのオリジナル文献では、給電点にはLinradのフェライトビーズLFB095051-000の6直連結(6個直列に並べたもの)を使用しています。ただこのフェライトビーズはそもそもRFC(RFチョーク)用に作られたものなので、コイル用に適用するとインピーダンスの抵抗成分が大きく現れます。
Fig.1 使用したフェライト |
今回、LFB095051-000はMouserでアメリカ(アラスカ)経由で購入、トロイダルコアのFT-50-43は千石電商で購入し、SALアンテナのオリジナル文献にあるLFB095051-000の6連結かつ巻き数1回のコイルと、今回購入したFT-50-43を1個かつ11回巻きのコイルを作成し、両者のインピーダンス特性とインダクタンスを測定してみました。FT-50-43を11回巻きとしたのは、周波数500[kHz]付近のインダクタンスがLFB095051-000の6連結とほぼ同じだったからです。測定器としては MFJ-259Cを使用しました。
Fig.2 MFJ-259によるインピーダンス測定 |
測定結果を以下に示します。予想どおり、LFB095051-000のほうは、抵抗成分が大きく、リアクタンス成分も飽和する傾向にあります。つまりインダクタンスは周波数が大きくなると下がっているわけです。それに対して、FT-50-43のほうは、抵抗成分は小さく、リアクタンス成分は周波数にだいたい比例して大きくなっていることがわかります。つまり、インダクタンスはほぼ一定です。SALアンテナでは、給電位置を容易に変更できるよう、LFB095051-000を使ったRFトランスを給電点に構築していますが、RFトランスとして利用するには、FT-50-43のほうが良さそうです。ただし、FT-50-43の場合は、容易に給電点をスライドさせて移動させるといったような使い方は難しいかもしれません。
Fig.3 使用したフェライトのインピーダンス測定結果 |
今回はここまでとします。次回は、巻き数比1:1のRFトランスを実際に試作し、伝送ロス等を測定してみようと思います。(続く)
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