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Tuesday, March 22, 2022

フィールド・レディオ・リスニング(FRL)というコンセプト

  先日、戸塚DXer's サークル(TDXC)のオンライン・コンベンションが実施された。今年は3回目となります。第一回目は、参加者が茅ヶ崎に集合し、BBQ等を楽しんだあと、実際に会議場で発表を行い、その後は柳島キャンプ場で中波DXペディションを楽しんだのですが、第2回目、そして今回は、コロナ禍ゆえ、オンライン参加がメインとなってしまいました。私はオンラインで参加させていただき、デルタループアンテナアレイの設計と運用というタイトルで40分程プレゼンをさせていただきました。その他のメンバーからも大変興味深い内容のプレゼン発表があり、実にTDXCの活動は「今の追求」をしているなあと感心しているところです。私の発表については、今年8月に発行予定のTDXCの年誌Propagation 第10号により詳細にまとめたものを発表予定ですので、ご興味がある方はご覧になっていただければと思います。

 さて、TDXCメンバーとオンラインで飲みながら話をしていると、アマチュア無線やBCLの屋外での活動が話題になり、最近ブームになっているカーボンロッドアンテナの話題も提供され、わいわいと盛り上がりました。私も昨年くらいから、コロナ禍で屋外に出ることができないストレスもあってか、ノイズの少ない森や原っぱで自作のアンテナ等を張って、お弁当や昼ビール(昼ビー)でもしながら、SDR等を使って中波、短波、FMを受信してみたいなあと思うようになりました。もともと中波DXpedtionで大自然の中での受信がもともと好きでしたし、アマチュア無線の世界でも山の上からのオンエアであるSOTA(Summits On The Air)や、公園からのオンエアPOTA(Parks On The Air)が行われており、Youtube等でその様子を見るにつけ、なかなかいいものだなあと思うようになったことも理由になります。

K6ARK アダムさんのYoutube "K6ARK Portable Radio"より

 特に言葉にこだわるつもりはないのですが、BCL(BroadCasting Listening)から、屋外に飛び出ての受信ということで、FRL(Field Radio Listening)あるいは、だいぶ前に、Filed Listening という言葉から受ける語感については、カナダ人の友人に聞いてみたところ、「そうだね、まず頭に浮かんだのは、誰かが科学的な研究のために街から離れた屋外に何かを聞きに行くというイメージだね。」ということだったので、FRL(Field Radio Listening )という言葉は結構いい感じなのかもしれないなと思っているところです。

 屋外で受信するわけですから、他人の目も気になるところ。なるべくおしゃれに、かつ邪魔にならないように、さらには「何をやっているんですか?」と聞かれた時にはきちんと面白く説明できるようにもなりたいものです。また現場に持ち込む機材、使用する機材やアクセサリーもこだわりの一品が生まれてくるような予感もします。(自作もできますしね)ここは今後研究していきたいと思っています。

 さて、私は神奈川に住んでいるのですが、じゃあどこに行って聞こうか?ということになります。中波であれば、海岸近くや海に面した岬となりますがが、FMであればできるだけ見通しがあるところが良いことになります。日本国内の標高が高いところをさっと確認できるツールはないかと探していたところ、国土地理院が地理院地図(電子国土Web)でそれが簡単に確認できることを知りました。このツール恐るべしで、3D表示に出来たり、自分で標高の色分けが出来たり、ルートの断面図が描けたりと、かなり便利なツールです。これが無料で使えるなんて素敵過ぎます。

 ちょっと3Dで標高地図(色分け)を作ってみたのがこれです。ものの数分で出来てしまいます。(凡例は別画像を合成しました)これが無料でかつオンラインで作れちゃうんだからなあ!

国土地理院の電子国土Webで描画した例

 こうやって見てみますと、関東平野をずらっと眺めたければ、三浦半島の山の上、あるいは茨城の筑波山は、アマチュア無線等の移動運用先で有名だけあって、良いロケーションだなあと感じます。もちろんもっと高い山に登るのも”あり”ですが、お気楽・手軽に行ける場所をまずは探してみたいなと思っています。

Sunday, March 13, 2022

2022 NASWA Winter SWL Festに参加

  Participation in the 2022 NASWA Winter SWL Fest


   欧米のラジオ趣味仲間のZOOM Fest(NASWA Winter SWL Fest)に3月5日(土)の午前3時から参加した。3月6日(日)の9時前には、私の友人も上手な英語で日本のBCLの状況を欧米の仲間にプレゼンも行われました。ちょこっとプレゼンの資料の中に私の写真も載っていた(^_^;)  このFestには、昨年も参加したが、同年代と思われる欧米の参加者は、本当に良く喋る。英語なので声も大きい。スピーカーのボリュームを絞らないといけないくらい。質問も頻繁に出るしで、どのプレゼンも一定以上盛り上がる。こういうところは流石だなあと昨年に続き思う。 英語でガンガン話されても、ラジオ趣味の話なので、内容にはほぼついていくことができる。既視感あるプレゼンばかりということでもなく、「へー、それ使うんだ。」見たいな新鮮な情報もあったりする。またご自慢の受信機や、受信機を並べた室内(シャック)の写真も見せてくれるのだが、きっと顔をしかめている奥様もいらっしゃるんだろうなあとニヤニヤした。来年も間違いなくこのFestには参加すると思う。


     I attended the Zoom Fest (NASWA Winter SWL Fest) of international radio hobbyists from 3 a.m. on March 6. Before 9 a.m., one of my Japanese radio hobbyist friends gave a presentation about the situation of BCL in Japan in good English. My pictures were also included in the presentation materials. I think there were over 140 participants, but only 5-6 were from Japan. I also participated in this Fest last year.

The Western participants, who seemed to be around the same age as me, talked loudly in English. Sometimes I had to turn down the volume of my PC because the speakers spoke so loudly among their conversations. Questions were frequently asked, and all the presentations were lively beyond a certain level. I felt that this kind of interaction was a quintessential part of the event, as it was last year. Although they were speaking in English, I could almost follow the content because it was about radio hobby. It was not like I had already seen the presentation before. I was also able to learn some fresh information that I wanted to know about. Presenters showed us pictures of their receivers and the rooms (shacks) where they had them all lined up, which made me grin and wonder if some of their wives were frowning.

I will definitely attend this Fest again next year.
シャックの紹介のスライドの一例
商用電源経由でのDC13.8Vが停電した場合に
DC12V/24V鉛蓄電池でDC13.8Vをバックアップする装置の紹介スライド

Saturday, February 19, 2022

1月に実施した房総半島中波DXpeditionについて

MW DXpedition in the Boso peninsula in Japan on Jan.9-10


房総半島(The Boso peninsula in Chiba prefecture)
 
 1月9日から10日の連休を使って、Radio Siestaさん、しんぞうさん、はなぶささん、そして私の4名で千葉県房総半島の一棟貸の太平洋に面した広い庭付きの貸し別荘にて中波DXペディションを行ってきました。この日は、コンディションに恵まれ、多数のオーストラリア中波が受信できました。今回は、昨年11月に実戦投入した全長20mの自作デルタループアレイアンテナを南に向けて設営し、9日の日曜日深夜から10日の月曜日早朝にかけて中波DX受信をおこないました。

   Over the consecutive holidays of January 9-10, Radio Siesta-san, Shinzo-san, Hanabusa-san (These are their nicknames.), and I conducted a medium wave DXpedition at a villa with a large garden facing the Pacific Ocean in the Boso Peninsula, Chiba Prefecture. The day was blessed with good conditions and we received many Australian MW stations. This time, We set up a 20-meter-long delta loop antenna array which I deployed in November last year. The antenna was directed to South.  We enjoyed MW DX reception from late Sunday night on Jan.9 to early Monday morning on Jan.10.

 私達は川崎駅で合流した後、はなぶささんが運転する車で現地に向かいました。途中、昼食に立ち寄った木更津市のかもめ食堂にて、穴子天丼を食べました。ものすごいボリュームで、お腹いっぱいになったのは言うまでもありません。中波DXは夜間に行うため、穴子天丼を食べた後は、夜食を買うために立ち寄ったスーパーマーケットでは、なかなか甘いお菓子やスナックに手が伸びることはありませんでした。

   We met at Kawasaki station and headed for the site by a car driven by Hanabusa-san. On the way, we stopped for lunch at Kamome Shokudo (Kamome Restaurant) in Kisarazu City, where we had conger eel tempura(Fried conger eel) rice bowls. Needless to say, the portion was huge.  So it was hard to reach for the meals at the supermarket where we stopped to buy our midnight snacks because we were full after eating the conger eel tempura rice bowl.

穴子天丼:Fried Anago(Conger eel) rice bowl(Click to enlarge)

穴子(Anago):Conger eel

 今回、私は3つの荷物を運びました。トータル重量は20kgを超えました。同軸ケーブルが重たくて重たくて!
   The total weight of my baggage was more than 20kg!  How heavy the coaxial cables were!!  

My baggage including more than 50m coaxial cables and glass fiber poles and a SDR etc.(Click to enlarge)

 このコテージのエリアには、キョンが沢山住み着いていて、怪しい鳴き声が聞こえていました。キョンの鳴き声は初めて聴いたこともありちょっとびっくりしました。

  In the area of this cottage, there were many "Kyons" (Chinese muntjac)
 living there, and I could hear their scary cries too. I was a little surprised, as I had 
never heard the cries before.    

キョン(Chinese muntjac)
キョンの鳴き声(Cries of Chinese muntjac)

   到着後、すぐにアンテナの設営に取り掛かりました。全員で協力しながら設営をしました。今回南方向に設営したのは、前述した20m長のアレイド・デルタループアンテナです。これは2つのループアンテナを直線上に配置し、給電点からの信号の位相を180度変えた後、さらにヌルを作りたい方向のループ暗アンテナ側の位相を調整することで、カージオイド型の指向性を作りだすアンテナです。位相調整には約15m程の50Ωの同軸ケーブルを使いました。給電部にはLMH6702を用いたトランスインピーダンスアンプを実装し、ループアンテナに誘起した電流を電圧に変換しています。このアンプの採用により、帯域内のアンテナ利得特性のフラット化を実現しています。

   Upon arrival, we immediately started setting up the antenna. The antenna we set up in the south direction was the aforementioned 20-meter-long delta loop antenna array. This antenna is made by placing two loop antennas in a straight line, changing the phase of the signal between both feed points by 180 degrees, and then adjusting the phase of the loop antenna in the direction where we want a null pattern. For the phase adjustment, I used about 15 meters of 50 ohm coaxial cable. A transimpedance amplifier using LMH6702 is mounted in both feed section to convert the current induced in the loop antenna into voltage. By using this amplifier, a flat antenna gain characteristic in the band is realized.



System diagram of the delta loop antenna array (Click to enlarge)



Antenna Pattern (Vertical Pol. @1MHz)


Installation of the delta loop antenna array(Click to enlarge)

DC distribution box, 50ohm power combiner, delay line and CMC (Click to enlarge)


  今回利用したコテージの屋根には太陽光発電装置が設置されており、屋内のパワーコンバイナーの制御パネルを見ると日中は動作中でした。残念なことに、日中は太陽光発電装置のパワーコンバイナーからの雑音がひどく、中波帯域の全域でキョンの鳴き声のようなノイズが至るところで聞こえてしまっており、パワーコンバイナーの電源をOFFにしたかったのですが、この貸別荘のオーナーとの連絡が上手くとれず、我々全員、こりゃまいったなとかなり焦りました。しかし日が暮れると同時に、パタリとノイズは完全に消え去り、その後はほぼ人工雑音とは無縁な、軽く空電ノイズが聞こえているという大変中波DXには理想的な状況になりました。これまで様々な場所でDXペディションをしてきましたが、なかなかこれだけの静寂なノイズ環境は味わえないです。

 The cottage we used this time has a solar power system on the roof, and the control panel of the power combiner showed that it was working during the daytime. Unfortunately, during the daytime, the noise from the power combiner of the solar power generator was so strong that we could hear a noise like a cry of Chinese muntjac all over MW band. I wanted to turn off the power combiner, but I couldn't contact with the owner of this rental villa at that time. However, as soon as the sun went down, the noise completely disappeared, and after that, we could only hear a light electric static noise, almost free from artificial electric noise. This was an ideal situation for MW DX. I've been DXing in many different places, but it's hard to experience such a quiet noise environment.



 さて、受信ログを公開させていただきます。私は中国語や東南アジアの言語には全く疎いため、英語局を専門にロギングしてみました。国内のAFN局を除く79局の英語局が聞こえていました。まさに、これだけの局が聞こえている状況は非日常感満載で、中波DXの醍醐味と言えるかと思います。ログはこちら(クリック)

  Now, I would like to share you my reception logs. Since I am not familiar with Chinese or Southeast Asian languages at all, I specialized in logging English stations. I was able to hear 79 English stations, excluding AFN in Japan. It is truly an extraordinary situation to hear so many English stations like this and I think it is the best part of MW DX. The log can be downloaded from here (click)

My Log of this MW DXpedition(Click to enlarge)

  さて、ここからは、実際の受信音をいくつか聞いていただこうと思います。中波DXに馴染みが無い方もいらっしゃると思いますので、ぜひヘッドフォンをしていただいて、私達がどんな受信をしていたかを体感していただければと思います。段は地元のローカル放送しか聞こえない中波帯で外国の電波が数千キロ先から伝搬してくる非日常性を感じていただければ嬉しいです。比較的聞きやすいものをチョイスしてみました。なお、受信時刻はUTC(グリニッジ標準時)で記載しています。日本時間は+9時間してください。例えば16:00UTCは日本時間翌日の午前1時になります。
 
    Now, I would like you to listen to several actual reception sounds. Some of you may not be familiar with MW DX, so please put on your headphones and experience what we were receiving. I hope you can feel the extraordinary nature of MW radio waves propagating from thousands of kilometers away. I chose audio clips that is relatively easy to listen to. Enjoy! 

(1)ABC 4QD 1548kHz, 50kW Emerald, QLD, Australia at 16:00UTC on Jan.10


 MWペディションではおなじみのオーストラリア、クイーンズランド州の常連局です。内陸でも十分受信は可能ですが、ここまで良好に聞こえることはなかなか無いでしょう。海に面した場所で利得の大きなアンテナと低雑音環境、そして他信号特性が優れた受信機が揃うと、まるでローカル局のように受信することができます。
 This is a familiar regular station in Queensland of Australia that can be received in MW DXpedition. It is possible to receive this station inland, but it is rarely heard this well. If you have an antenna with a large gain, a low noise environment, and a receiver with excellent dynamic range you can receive this station as if it were a local station.


(2)ABC 8GO 990kHz, 0.5kW Nhulunbuy, NT, Australia at 16:00UTC on Jan.10



 この局は、私は初受信でした。オーストラリア、ノーザン・テリトリーのヌランベイにあるABCのラジオ局です。同地区ダーウィン向けの放送を行っています。出力は0.5kWと小さく、珍しい局の部類に入るのではないかと思っています。IDは、”ABC radio Darwin"と出ています。0.5kWという低出力にも関わらず良好に受信できたことに驚いています。
 This was the first time for me to receive this station. It is an ABC radio station in Northern Territory, Australia. I guess this station is rare to be received due to 0.5kW of low output power. The ID is "ABC radio Darwin". The ID is "ABC radio Darwin". I was surprised that I could get good reception in spite of 0.5kW of low output power. 


(3) 5CS 1044kHz, 2kW Huddleston, SA, Australia at 17:58UTC on Jan.10



 この局も、私は初受信でした。オーストラリア、南オーストラリア州のハドルストンの民放ラジオ局です。 IDは、”Classic Hits 5CS"と出ています。
     This was also my first time to receive this station. It is a commercial radio station in Huddleston in South Australia, Australia. The ID is "Classic Hits 5CS".


(4) 4BH 1116kHz, 17kW Brisbane, QLD, Australia at 18:00UTC on Jan.10



 
  IDは、音楽とともに”Brisbane, 4BH"と出ています。ブリスベンの民放局です。信号は決して強くはありませんが、外来雑音が少ないため、はっきり聞こえています。この外来雑音の少なさ、感じ取ってみてください。みなさんのご自宅ではこのようにはいかないはずです。
IDが出てすぐに、パリパリっと入るノイズは、太平洋上の雷のノイズです。
   The ID is "Brisbane, 4BH" with music. This is a commercial radio station in Brisbane in Queensland state. The signal is not strong, but it is clearly audible because there is little external noise. Please try to feel how little external noise there is. I'm sure it's not like this at your home. The noise that comes right after the ID, is the noise of lightning over the Pacific Ocean.



(5) 3MP 1377kHz, 5kW Melbourne, VIC, Australia at 16:59UTC on Jan.10



 ビクトリア州メルボルンの民放ラジオ局です。IDはチャイム音の後に"3MP, proud to be Ace Radio Network" と出ています。
 This is a commercial radio station in Melbourne, New South Wales, and its ID is "3MP, proud to be Ace Radio Network" after the chime.


(6) Radio TAB 1539kHz, 10kW Adelaide, SA, Australia at 17:00UTC on Jan.10
 

 DXpeditionでは、良く聞こえるこの多い南オーストラリア州、アデレードにあるこの放送局は、Totalisator Agency Boardが運営する競馬やグレイハウンドレーシング(いわゆるドッグレース)の中継をしています。この日は競馬の中継をしていたようです。1242kHzとパラで放送をしていました。音声クリップ中にはIDは出ていませんが、18:00UTCに、”Radio TAB"と弱く出ていました。アナウンサーがクリスタルウォーターとか言っていますが、どうやら馬の名前のようです。アナウンサーのバックグラウンドの女性の声も小さいもののクリアに聞こえている様子を聴いてみてください。
 This station in Adelaide, South Australia, is run by the Totalisator Agency Board and broadcasts horse and greyhound racing (so-called dog racing). On this day, This station was confirmed on 1242 kHz too . There is no ID in the audio clip, but at 18:00UTC, I could hear an ID "Radio TAB" in the weak signal.  The announcer spoke something about Crystal Water in this clip, which seems to be the name of a horse. Please listen to the background female voice on the top, which is small but so clear too.


(7) 2QN 1521kHz, 10kW Deniliquin, NSW, Australia at 18:19UTC on Jan.10




 オーストラリア、ニューサースウェールズ州、デニリクインの民放局です。IDは、"This is the Australia ... on 15-21 2QN"と出ています。少し信号は弱いのでヘッドフォンで聴いてみてください。
  This  is a commercial television station in Deniliquin, New South Wales, Australia. The ID is "This is the Australia ... on 15-21 2QN". The signal is a little bit weak, so try listening with your headphones.


(8) 2MM 1656kHz, 0.4kW Darwin, NT, Australia at 17:35UTC on Jan.10



 オーストラリア、ノーザン・テリトリーのダーウィンにあるナローキャストを実施している放送局です。出力は0.4KWです。言語は英語ではなくギリシャ語のようです。移民国家であるオーストラリアを感じさせます。IDは音楽と共に”2MM (Two double M)”と出ています。
 This is a narrowcasting station in Darwin, Northern Territory, Australia. The transmitting power of this station is 0.4kW.  The language spoken in this program seems to be Greek, not English. The ID is "2MM (Two double M)" with  music.


(9) 3SH 1332kHz, 2kW Swan Hill, VICAustralia at 18:00UTC on Jan.10




 オーストラリア、ビクトリア州、スワンヒルの民放局です。IDは、”13-32 3SH"と出ています。この時間帯は、空電ノイズがひどくなってしまいました。でも信号はそれに負けずに入感していました。
  This is a commercial TV station in Swan Hill, New South Wales, Australia. The ID is "13-32 3SH". During this time, the lightning  noise over the Pacific ocean was terrible. But the signal was still coming through.



(10) Hot Country 1629kHz, 0.4kW Darby, QLDAustralia at 16:59UTC on Jan.10



 オーストラリア、クイーンズランド州のダルビーにあるナローキャストを実施している放送局です。出力は0.4KWです。IDは陽気な声で”Saturday morning talk show 9a.m..., Hot Country”と出ています。
 この局の公式の周波数は1629kHzですが、明らかにオフセットがありました。つまり周波数がずれていたということです。50Hz程低い方にずれていたと思います。
  This is a narrowcasting station in Dalby, Queensland, Australia. The ID is "Saturday morning talk show 9a.m., Hot Country" in a cheerful voice. The ID is "Saturday morning talk show 9a.m. ... ,Hot Country" in a cheerful voice.
  The official frequency of this station is 1629 kHz, but there was clearly an offset, meaning the frequency was out of 1629kHz a little bit. I think the frequency offset was about minus 50 Hz.

Wednesday, January 19, 2022

最後のWRTHを読んで

世界でもっとも総合的で最新の放送ガイドとして多くの放送受信愛好者に利用されてきたWRTH(World Radio TV Handbook)が2022年版にて最後の出版になることがアナウンスされました。

私は毎年購入していたわけではなかったのですが、最後の出版ということもあり、昨年に引き続き購入しました。WRTH本部にインターネット経由で注文し、昨年12月31日に無事私の手元に郵送されてきました。私のここ数年の受信対象は海外中波DX局であり、中波DXをやる上でも、WRTHは一つのデータベースとして貴重な資料になっていました。短波放送による海外放送の減少、それに伴いリスナーも激減している現在において、出版ができなくなるのは時間の問題だったのでしょう。ただ可能であれば、多少値段が高くなってもいいので、オンライン版での復活を望みたいところです。



巻頭ページにはEditorialとして、出版責任者のニコラス・ハーディマン氏のコメントが書かれています。この2022年号が最後の出版になることがアナウンスされていましたが、最後のほうで、AirSpy社がさらに小型な受信アンテナに適した同社SDRのHF+の新タイプを開発中との記述がありました。どうやら小型アンテナの高い出力インピーダンスに対応するHF+が開発されているようだと、私は他のDXerの方から聞いております。

WRTHへの貢献者として、日本人のお名前が2名ありました。直接の面識はありませんが、これまでお疲れ様でしたとお伝えしたいです。

Icom IC-705からSangenのATS-909X2,TecsunのH-501及びPL-330、そしてATS25 Si4732のレビュー記事もありましたが、特段欲しいリグでもないので読むのは省略。特にATS25 Si4732は受信機としては大したことないようです。まあ見掛け倒しのおもちゃなんでしょう。

Cross Country Wireless(CCW)のループアンテナ用プリアンプLAA++はちょっと気になりました。性能について記載されていますが、出力でのインターセプトポイントの値が記載されており、これをどう読むかはピンときませんでした。入力でのインターセプトポイントの値も知りたかった(換算できるのでしょうか?)。また14MHzでの利得が25dB、そして雑音指数が0.79dBとありましたが、本当にこんなに小さい雑音指数が達成できているのか?とちょっと疑いの眼で見ているところです。

CCWのHPには面白いカージオイド特性の指向性を示す小型ループアンテナの記事があり、私はこちらのほうがとても気になってしまいました。今年追試したいと思っています。


http://www.crosscountrywireless.net/cardioid_loop_antenna.htm

Cross Country WirelessのHPから(http://www.crosscountrywireless.net/cardioid_loop_antenna.htm


今号の特集記事では、BBCのシニア送信エンジニアであるデイブ・ポーター氏によるHF帯の送信機の開発物語の記事がまず目に飛び込んできました。短波送信機の開発の歴史は、電力効率をアップする歴史だったようです。短波送信機の開発は1920年代に始まり、1960年代には電力効率は50%まであがったとのこと。1970年代には冷戦時代もあり、この時は、各国で短波放送の需要が大きくなり、300kW、500kWの送信機が数多く製造されたとあります。さらには送信用真空管の改良が行われ、さらに真空管から半導体アンプへの変遷、変調方式もパルスステップ変調(PSM)や、パルスウィズ変調(PWM)、の採用、そしてさらには、1973年のオイルショックの影響により、さらに効率の良い送信機の開発が行われ、それを実現するために、開発された変調度が浅い時に、搬送波を抑制するダイナミック振幅変調方式(DAM)、そしてイギリスBBCが採用した変調されていない時には搬送波をフルパワーで送信し、変調度が上がるにしたがい、搬送波の電力を下げていくDAMとは反対の振幅変調コンパンディング方式が開発されたとあります。
電力効率は、ありとあらゆる方法が投入されたおかげで現在は82%まで上昇しており、これにより、およそ100年の歴史を持つ高出力短波放送機の開発の歴史は終焉を迎えることになったとあります。短波放送送信機も行き着くところまで行ってしまったんですね。

”ラジオと共に75年以上”という記事の主人公、ウルマー・クィヴィック氏はネットで調べてみるとスウェーデンの作家、翻訳家の方で、特にアルバニア語のスペシャリストの方でいらっしゃるようです。(参考記事)今年で88歳になられるようで、この記事の中でウルマーさんのBCL人生が様々に語られています。私も88歳になっても健康で、アンテナ片手にDXingを楽しんでみたいなと思いますね。特に語学は英語力をさらに深化させるのと、ロシア語も日常会話ができるくらいにはなってみたいし、ハード、ソフト含めてまだまだやりたいことだらけだったりします。BCLは放送聴取を中心に、興味の対象が多岐に渡るため、飽きることがないですよね。

私にとってかなり興味を引いたのは、ビル・ウィトカー氏のVOAのテクニカル・モニタリングの記事です。ウィトカー氏はMW DXerでもあり、昨年、ZOOMを使ってオンラインで開催されたNASWA SWL FESTでは、アメリカ西海岸のGraylandからTDDFアンテナとRX888を使ってTPDX受信のライブ中継してくれました。日本のNHK秋田第2放送等のビッグガンステーション等の受信音を聞かせてくれました。
ウィトカー氏は、Voice of America に39年間勤務され、1987年から2020年までVOAのテクニカル・モニタリング業務をされていたとのことです。

この記事には、ウィトカー氏達VOAスタッフがVOAの海外諸国での受信状況をモニタリングするための手法の改善に向けた様々な苦労が詳細に記載されています。海外諸国のモニターと紙でやり取りしていた方法を、まずはスキャントロニクス(いわゆるマークシート方式)によるものに変更し、ワシントン側で、スタッフがそれを大型コンピューターに入力する方法に変更(かなり入力エラーに悩まされたようですが)さらにはマッキントッシュとハイパーカード、リアルオーディオのエンコーダーを組み合わせてRMS(Remote Monitoring System)を構築し、遠隔地からの受信サンプルを通信で取り寄せるいわゆる、現在我々がSDRでやっているリモート受信の先駆け(を行っていたことなどが書かれています。しかもこのテスト運用が1989年の4月から6月に起きた中国・天安門事件発生時、VOAの中国語放送にジャミングが中国によってかけられた時にテスト運用され、ウィトカー氏が毎朝急いでVOAの職場に出社して確認していたことなども書かれています。

ウィトカーさんが当時構築されたRMSシステム(同氏のHPから)

ウィトカーさんの古いホームページ(1995年当時)がまだインターネットで閲覧可能になっていますここをクリック ウィトカーさんの95年当時の写真もありました。手作り感満載のホームページですね。(実に懐かしいスタイル(笑)でも当時はみんなこうでした。)

また、当時のRMSについても記事もありました。movファイルですが、音声も聴くことができます。必見ですここをクリック

このRMSを1991年当時にウィトカー氏達は、世界75箇所に設置したということですから、私は、相当VOAは予算も潤沢でかつ先進的なことをしていたんだなあと思いました。

また、さらには、海外の視聴者モニター達とのやり取りも、 アップルのニュートンというメッセージパッドとモデムを使ってコンピューター通信でできるようにし、1991年にソ連が崩壊した後には、VOAはRadio Free Europe とRadio Liberty ののネットワークと中継局、前ソ連に在住していた多くの聴取者モニターを受け継ぎ、このモニター達にサンクトペテルブルグの会合でこのニュートンによる新システムの紹介をしたっていうんですから、このウィトカー氏を始めとするVOAの実行力・機動力は恐るべしですね。

左がニュートン、右がiphone 


さらにRMSはRMS IIに進化し、遠隔地での受信にはDRAKEのR8が使われたと書かれています。RMS IIでは、30分おきに自動で受信音サンプルが通信回線でワシントンに集められ、記録媒体に収録されたのちWebページ上で閲覧可能になったとのことです。これが1998年頃の話ですから、凄い話です。
モニターに使われた受信機 DRAKE R8

2001年には、中国からVOAの中国語ウェブページが閲覧できない状況になっているという報告が入ったことから、ウィトカー氏達は、中国国内に設置したRMSにプログラムを組み込んで、特定の時間帯に、そこからVOAの中国語ウェブページにアクセスさせ、アクセスできない場合はtracerouteを実行してどのようにブロックされたかを把握してたらしく、ウィトカー氏いわく、「中国国内で特定のウェブページが閲覧がブロックされていることを我々はいち早く確認できた。」そうです。ウィトカーさん、エキサイティングな仕事してたんですね。

そしてこのRMSも、それまで受信機として使っていたDRAKE R8とIcom R-71からPythonでベースのRMSとSDR-IQに変わり、そして記録媒体もGoogle クラウドプラットフォームに置き換わっていったそうです。そしてウィトカー氏の最後の仕事として、ウィトカー氏はRMSのデバイスをipadに置き換えされたとのことです。ウィトカー氏はこうしてVOAの放送モニタリングの自動化に大変貢献されました。

モニター用受信機はSDR IQへ(小さいですね!)

KTWR Guamの記事も興味深かったです。KTWRでどのように送信機を調達して、メインテナンスしてきたかなどが詳細に書かれていました。DRMサービスのために再整備された250kWの送信機2台を購入して旧送信機を更新し、旧送信機をテネシー州のWTWWに売却した話や、放送を休止せずに送信機の更新工事を行った等、送信技術者他スタッフの皆さんのご苦労は予算面や、施工面で相当あったのだろうと思いました。

レソト共和国のラジオ局の歴史ついての記事も興味深く読みました。なかなかこういった放送局の記事を目にすることは無いので、WRTHの存在意義はこういうところにもあったのだろうなと思うと今回の廃刊(休刊と言いたいですね)は残念です。


Wednesday, January 5, 2022

趣味としてのBCLを自分なりに俯瞰してみる

 日頃、こんなことは考えていなかったのですが、年末年始休暇が少し長くとれたこともあり、ぼんやり考えてみました。ただぼんやりしているだけでは、明確化できないので、オンラインのマインドマップ作成ツール”mind meister"を使って自分なりに俯瞰を試みてみました。上手く分類できないところや、分類の粒度のレベルがあっていないところもあろうかと思いますが、あえて載せてみます(クリックすると大きくなります)。まあ、今後もBCL(BroadCasting Listener)を趣味として味わっていこうと思っているので、ここで一旦、自分の趣味としてのBCLでやっていることをの棚卸しをして俯瞰してみようというわけです。


自分なりに作って眺めてみると、BCLの世界は基本的には昔から変わっていないと感じています。ただインターネットが台頭し、情報の伝わり方、交流の仕方、そして放送番組の伝わり方に大きく影響があったのは周知の事実です。

色で塗りつぶしている部分は、私が興味を強く持っている部分です。こうしてみると私は、放送番組を楽しむというより、アクティビティは別として、DX局の受信(検出)、電波伝搬の検討、そして、それを実現するためのハードウェア(アンテナ、受信機、関連機器の特に自作の部分)の分野に興味を持っているBCLということになります。まあ日本国内では超・超ニッチな世界だと思います。

しかし、全世界を対象とすると、同様な志向をもっていらっしゃる方々は大勢います。当然日本語だけではコミュニケーションできないケースがほとんどですが、現在は工夫さえすればコミュニケーションの障壁は相当に低くなっていると思います。

またこのマップに描いてはみたものの、すでに今となっては、ほとんどどなたもやっていない分野(廃れてしまった分野)もあろうかと思います。また私にとっては全く興味がない分野もあります。(※やることを否定しているわけではないので念の為。)

また、先に基本的には昔から変わっていないと感じているとは書いたものの、BCLの世界も細かい部分で分岐が多くなっています。(必ずしも上のマップには書ききれていません)インターネットの普及で同じテーマであっても、その内側での、興味の対象・レベルのさらなる細分化、深化は趣味の世界では加速しました。BCLも同様だと思います。

もはやBCLを一括(ひとくくり)に扱うのには対象が広がりすぎた(一つのテーマもさらに細分化された)感があります。一括に捉えるのはなかなか難しいのではないかと思っているところです。

つまり、BCLをやっていますとなっても、お互いに全く趣向が合わないというケースも出てくると思います。しかしそこで泣き別れになるのではなく、お互いにお互いの好きなことを認めて耳を傾けて次に発展させるチャンスを待つくらいの余裕のある心は持ちたいものです。

また、「自分がBCLにどんなことを求めているのか?、何が楽しいのか?」をきちんと伝えるという術(すべ)は持っていて損はしないと思います。ただ「やろうよ、やろうよ。楽しいよ。」では、特に新しく興味を持った人には伝わらないと思っています。

私がこの趣味に求めている「根本」はなんなんだろうと自問した時に、出てきた言葉は「非日常性(意外性)」です。苦労の末、「おっ」と驚くような非日常を電波伝搬の不思議な世界の中で経験・体験をすることで自分の頭の中の日頃のモヤモヤがリセットされるような感覚を、大自然の中でのDXペディションに出かける度に感じます。自分を取り戻すという感覚でしょうか。私にとってBCLという趣味はその「非日常性」を味わせてくれる趣味の「一つ」となっています。また感覚的には、海釣りで珍しい魚を釣り上げる感覚に似ていると思っています。

長々駄文を書いてしましました。

皆さんにとってBCLとは何でしょうか? どうしてBCLという趣味を楽しんでいらっしゃるのですか?

今年もよろしくお願いします。

Monday, January 3, 2022

昨年11月の東北海道中波DXペディションにおける北米東海岸中波局WBZの受信報告

ここしばらくの間、本業がとても忙しくなってしまい、ブログのアップデートが出来ずじまいでした。昨年11月20~23日にシエスタさん、しんぞうさん等と東北海道のオホーツク沿岸で中波DXペディションを実施しました。北米方面の伝搬コンディションは必ずしも良いとは言えないものでしたが、11月20日(土)16時~17時にかけて北米東海岸マサチューセッツ州ボストンのWBZ(1030kHz 50kW)の受信をすることができましたので、紹介させていただきます。

WBZの受信は2018年の同時期の受信に引き続き、私にとっては2度めの受信となりました。北東方向に仮設した450m長のビバレージアンテナの効果もあってかなり長時間の間、フェージングを伴いながらも良好に受信することが出来ました。北米東海岸中波局の受信はとても難しく、その受信チャンスも中々巡って来ないため、今回の受信は大変嬉しいものでした。

DXペディション中の一コマ(窓で赤く点灯しているのは時刻同期用GPSアンテナ)

同日、私もメンバーになっている戸塚DXersサークルの有志の皆さんが岩手三陸沿岸部で中波DXペディションを実施しており、そこでも、40m長のTDDF(D-Kaz)アンテナによりWBZを受信に成功しました。お互いにLINEのチャットで連絡を取り合いながらのWBZ受信はとてもエキサイティングなものでした。

11月20日の16時における伝搬ルートの日照状況は以下のとおりです。東北海道沿岸部はグレーラインに入ったところ、そして岩手三陸沿岸部はグレーラインに入る直前の状態です。いわゆる一次伝搬(に近い)と呼ばれる状況です。どちらも、電離層の最終反射点(夜間の部分)であるコントロールポイントはそれぞれの受信点から伝搬路前方に位置しているため、受信地点が夜間ではなくとも電離層反射波が到来できる状況にはあったと考えられます。


11月20日のAEindex速報値は次のグラフの通りです。日本時間16時はUniversatl Time (UT)で7時となります。2018年の時よりも若干線が太いですが、暴れている様子はありません。北極圏のオーロラ帯は静穏だった様子が伺えます。(※AEindexは強いオーロラが出ると盛大にグラフが暴れます。北米東海岸中波局が日本で受信された時間帯のAEindexは、私が調べた限りでは全てグラフはほぼ直線に近い状況(静穏)であったことがわかっています。)

(http://wdc.kugi.kyoto-u.ac.jp/ae_realtime/202111/index_20211120-j.html)

まずは16時の正時に聞けたWBZのIDが出る様子はこちらの動画になります。IDは”WBZ Boston WXKS FM - HD2, Medford and Iheart radio station. Now, more than ever, it matters where you get the news, (WBZ News Radio)". と出ています。カッコ内は、フェーディングで弱くなってしまい微かに空耳レベルで聞こえている部分です。


参考までに、インターネットストリーミングで得られたWBZの同IDの音声も取り上げておきます。当然こちらはフェージングも無くクリアです。両者の比較から先の動画でお聞かせした受信音が紛れもなくWBZのものであることははっきりわかるかと思います。

WBZのID部分(インターネットストリーミング)

次に、東北海道沿岸部での受信音と、岩手三陸沿岸部での受信音の比較をしてみたいと思います。まずは、TDXCメンバーのシンさんが、Youtubeにあげてくださっている岩手三陸沿岸部での受信音です。40m長のTDDF(D-Kaz)アンテナでの受信となります。

岩手三陸沿岸部での受信音(ANT: 40m TDDF)

男性のトークがサイドからの混信を受けながらも長時間聞こえていることがわかります。
混信が強いものの、良く聞くと開始35秒で”WBZ Boston News Radio"とアナウンスが出ていることがわかります。また開始1分30秒でもWBZ..と聞こえています。この言葉が取れてただけでも、WBZの受信であると断言してもいいと思いますが、ただいかんせん信号が弱いこと、さらには混信が激しいことから、男性トークが弱くなっているところは本当にWBZなのか?という疑問もわくかもしれません。これについては、検証結果を後ほど紹介します。

次に、東北海道沿岸部でのほぼ同時間帯の受信音です。両音声の同期はほぼ取れています。(若干の時間のズレが両男性トークが同じものであるかどうかの検証に有効になります)

東北海道沿岸部での受信音(ANT:450m ビバレージ)

こちらの受信音でも、開始35秒で”WBZ Boston News Radio"とアナウンスが出ていることがわかります。また開始1分30秒でもWBZ..と聞こえています。岩手三陸沿岸での受信音と比較して、こちらはかなりクリアな受信音です。同周波数1030kHzには、通常はワイオミング州のKTWOがおり、フェージングにより、そちらと途中入れ替わることも想定しなければならないのですが、この男性トーク及び、途中入るローカルコマーシャルを聞く限りは、この時間帯はWBZが連続して聞こえていたと判断しても良いと思います(ローカルコマーシャルについては別途聞き取りをおこなってみます)。また、受信ロケーションの差もあったのかもしれませんが、この受信状況の差は、受信アンテナによるものが支配的だったに違いないと私は考えています。

450mビバレージアンテナと40mTDDF(D-Kaz)アンテナの指向性パターンを比較します。
設定周波数は1MHzです。偏波は垂直偏波としています。赤線が450mビバレージアンテナ、青線が40mTDDF(D-Kaz)アンテナとなります。450mビバレージアンテナのほうが指向性が40mTDDF(D-Kaz)アンテナと比較して相当にシャープであることがわかります。

ビームパターンの違い

次にこらら2つのアンテナの受信利得を比較します。圧倒的に450mビバレージアンテナのほうがTDDF(D-Kaz)アンテナより26dBも利得が高いことがわかります。(※アンテナ利得はどちらもマイナスの値であることに注意。棒グラフの長さが短い方が利得が高い。)これら2つのアンテナの利得差はSメーター目盛り換算で4つから5つくらいの違いとなります。中波DXの微弱局の受信においてこの差は相当に効いてくるはずです。

アンテナ利得の違い

ほぼ完全なWBZのIDが確認できた東北海道沿岸部の受信音ですが、さらには16時9分36秒過ぎから聞こえてきたローカルコマーシャルを精聴してみます。私の個人的な感覚では、西海岸の英語とは違う雰囲気を感じます(なんだか早口ですよね)。以下の動画は、ペルセウスの復調帯域の調整とPBTにて隣接チャンネルのカブりを除去したものです。


ローカルコマーシャルを精聴すれば、同コマーシャルがWBZからのものであるかの判別に役立ちます。なんだか、家のカーペットについて話をしているようです。このコマーシャル中、(978)263-2302(twenty-three-O-two)の番号が聞き取れました。早速インターネットで検索です。すると、このサイトがヒットしました。予想通りこの番号は、マサチューセッツ州内のもので、カーペットを販売している会社のもののようです。またオーナーはJoe Paolini氏となっています。確かに、コマーシャル冒頭でMy name is Joe Paolini..と言っていますね。さらにこのサイトからたどると、Post Road Carpet One という会社のホームページにたどりつきました。コマーシャル中、頻繁にこの言葉は出てきます。


耳に痛いノイズが頻繁に入るし、私な英語ネイティブではないので、全部はとても私には聞き取れないのですが、推定含めて聞き取りをおこなってみました。以下がその結果です。聞き取れなかった部分は、ニューヨーク在住のアメリカ人の友人に追記・修正をお願いしました。Demitiri-san Thank you very much!

My name is Joe Paolini. My family has owned Post Road Carpet One in Acton for over 44 years.
When you walk in our  18,000 square foot show room.  
We will help you find the right  flooring to make your home of reflective of your personal style.  
Hard wood, (      )carpeting , aria rug, luxury vinyl tile, Hunter Douglas blinds, and much much more.
Mention you heard this ad on WBZ and you'll be receiving additional 10% off material. 
We have it all. Come and visit us at postroadcarpetoneofacton.com. 
Or give us a call at (978)263-2302(twenty-three-O-two). 
Post Road Carpet (      )you made a right decision. 
Post Road Carpet made truly in Acton. More than just a great (           ) carpeting,
It's the great design center.
Post Road Carpet is COVID confinement (or compliant).

黄色の下線部注目ですこのWBZのコマーシャルを聞いたといえば、10%オフで商品を購入できるって言っています。このコマーシャルはWBZで流れていたと考えて間違いありません。最後の、”Post Road Carpet (One), COVID confinement.”はこのコロナ禍の中の特徴的なフレーズで、ポストロードカーペットワンは、コロナ対策(封じ込め)を行っています。という感じの意味なのでしょう。こういう聞き取りはインターネットでの検索も含めてとても楽しいですね。

最後になりますが、岩手三陸沿岸部での受信音と東北海道沿岸部での受信音をほぼ時刻同期をとった状況で同時に再生してみます。具体的には、ステレオ録音とし右(R)チャンネルには岩手三陸沿岸部での受信音、左(L)チャンネルには東北海道沿岸部での受信音を収録しています。録音・再生ツールにはAudacityを利用し、途中、マウスを使って再生チャンネルを左チャンネル単独、右チャンネル単独に固定することを数回繰り返してみます。ヘッドフォンを使って聴いていただくとはっきりとわかりますが、ステレオ状態で聴いた時には、男性トークにエコーがかかったように聞こえるはずです。これは収録時に完璧に時刻同期が取れておらずわずかに時間差がついた状態で録音されており、さらには両チャンネルの男性トークが同じものであることを示しています。つまり、このことからも、岩手三陸沿岸部で受信されたこの男性トークはWBZからのものであると断定できます。



大自然の中でのMW DXペディションは、都会の喧騒(盛大な外来ノイズ)から遠く離れて、シーゲインをフルに得られる環境で受信ができること、また空気の美味しさ、自然の美しさを満喫でき、非日常を体感できるので、とても気に入っています。まあ重量物となるアンテナや受信機の持ち運び、さらには深夜、早朝まで及ぶワッチは大変体力を消耗し、またポケットマネーも結構使うことになりますが、それだけをやる価値は十分にあると思っています。ぜひまた行きたい!

Sunday, December 12, 2021

A few thoughts while eating an apple. りんごを食べながらちょっと思ったこと

The story of Mr.Maezawa and the ISS has been making the rounds on the Internet. Tonight, there will be a live broadcast from the ISS  on a midnight radio program "All Night Nippon". Well, I guess technically it's easy, but I'm going to listen to it.

Well, I ate too much yesterday, so I decided to have an apple and yogurt for lunch, and when I picked up an apple, I wanted to try this. The diameter of the earth is 12742km, the altitude of the ISS is about 400km, and the diameter of the apple I picked up was 66mm.  If you compare the apple to the earth, the altitude of the ISS would be about 2mm. This is about the size of two peels of an apple peeled with a peeler. And here's a photo taken with two apple peels on top of an apple.

My impression was that it was flying at a surprisingly low altitude. But by the way, the E layer of the ionosphere, which reflects medium wave radio waves, is much lower in altitude, only about 100 km. It's not even as thick as a peeled skin. When you think in this way, we are as small as a microorganism, aren't we?

前澤氏とISSの話がネットで話題になっている。今夜(2021/12/13 01:30)はオールナイトニッポンで、ISSからの生中継があるとのこと。まあ技術的には苦もなくできるんでしょうけど、聞いてみようと思っています。

さて、昨日食べ過ぎたので、昼はりんごとヨーグルトだけで簡単にすませようとりんごを手にとった時にこれ、やってみたくなった。地球の直径は12742km、そしてISSの高度は約400km、手にとったりんごの直径は66mm 。りんごを地球に例えると、ISSの高度は2mm程度になる。これ、りんごをピーラーで剥いた皮2枚重ねた程度なんですよね。そしてりんごの上にりんごの皮2枚を重ねてとった写真がこれ。

意外と低いところ飛んでるだなーというのが感想。でも、ちなみに中波の電波を反射する電離層のE層なんてもっと高度低くて、たかだか100km程度。剥いた皮の厚みにも及びません。こう考えると人間って微生物並?に小さいんですね。

Friday, July 16, 2021

とても残念だったこと Я был очень разочарован.

とても残念だったこと。ロシアの友達にも読んでもらいたいです。この文章の最後にロシア語の機械翻訳を掲載しておきます。 僕は、ロシアのことはもっと深く知りたいし、お互い本音で話せる間柄になりたいと思っています。機械翻訳なので、おかしな部分もあるかもしれません。 

Я был очень разочарован. Я надеюсь, что мои друзья по в России прочитают это. Машинный перевод на русский язык приводится в конце данного текста. Я хочу знать больше о России, и я хочу иметь возможность говорить друг с другом откровенно. Это машинный перевод, поэтому возможны некоторые странности.

日本の総務省とロシア連邦デジタル発展・通信・マスコミ省による日ロ郵便事業体間の相互協力の一環として、ロシア商品フェア2021on WEBが今年3月に作られたことを知り、ロシア製蜂蜜をオーダーしたんです。3月4日のことです。ロシアの蜂蜜はとても美味しいことで有名だったし、この取組を応援したい気持ちもありました。



ロシア郵便は越境EC(電子商取引)を通じた日本製品のロシアへの供給・PRに取り組んでいるそうです。 Sputnik 日本でも「ロシア郵便と日本郵便がタッグを組んで配達してくれるという点も、個人客にとっては安心感がある。」と報道されていました。 

しかしその安心感はありませんでした。 

なんと4ヶ月以上経って、7月13日に蜂蜜が届きました。コロナ禍でもあるし、EMSでの配送とはいえ、時間がかかったのは仕方がないと思ったのですが、梱包が一応はプチプチで包まれてはいたものの、かなり柔らかい梱包で、手に持っ途端、シャラシャラ何やら音がしました。恐る恐る開封してみると、蓋の部分がガラス製で、完全に崩壊していました。蜂蜜の中にもガラスが混入しており、食べることができず、廃棄せざるを得ませんでした。



梱包には、割れ物(Fragile)等のシールも貼られていませんでした。 まあプチプチで包んだとはいえ、その外装の袋がこんな状態では、まともに届くとは素人の僕でも思えない。とても海外に届けるための梱包ではないと判断できる状態でした。ダンボール箱に緩衝材入れて送るのが常識だと思う。はっきり言わせてもらえれば、この梱包は非常識です。

注文をした数日後に、トラッキングナンバーがメールで通知されたので、「きちんと対応されている」と安心していたのですが、到着した梱包についていたトラッキングナンバーは別のものでした。最初のトラッキングナンバーで追跡してみると、なんと、3月30日に、モスクワの蜂蜜業者から私宛送られた蜂蜜は、2回もロシアの税関で引っかかり、蜂蜜業者に送り返され、最終的に6月23日にモスクワの蜂蜜業者に送り返されていたのでした。この業者は海外発送に慣れていなかったのでしょうか? ロシア郵便は何もサポートしなかったのでしょうか? 別のトラッキング番号で調べてみると、6月30日に再度蜂蜜業者から発送され、こちらは約2週間後に僕の元に届いたというわけです。この配達日数は納得ができます。ロシアー日本のEMSとしては早いほうかもしれません。しかし残念ながら商品は、破壊されて届いたのでした。 

さて、ロシア商品フェアの日本語サイトには一応、規約があり、こういった商品に問題があった場合には、返金を要求できるようになっており、help@ru-goods.comに連絡できるようになっていたので、早速クレームのメールを入れました。日本語のメッセージと破損した状態がわかる写真付きで送りました。 しかし、数日経っても返事がきませんでした。果たしてメールは読まれているのか(開封されているのか?)と疑問に思ったので、mailtrackerを使って再送しました。メールが開封されたことがわかるシステムです。しかし、メールは開封されませんでした。 

規約を読むと、ドイツにあるロシア郵便の子会社、RusPost GmbHがこの販売サイトを運営していることが書いてあったので、この会社のHPを検索して見つけて、同HPのメッセージ欄から、クレームを再度送りました。今度は英語で書いて送りました。すると翌日、返金処理のメールが届きました。しかしこのメールがまた酷かった。 送り主の名前も何もなく、挨拶もなく、単に返金トランザクションの結果のみがHTMLで貼られた機械的な返信でした。おそらく彼らは、help@ru-goods.comに送られた日本語メールを読む体制が無いと推測します。送り主のアドレスは、noreply@ru-goods.com でした。返信無用というわけです。確かに私のクレームに対して対処はしてくれていますが、こんなやり方では、とても日本人に対してEコマースが出来るとは思えない。ロシアではこれが普通なの? これが、日本の総務省とロシア連邦デジタル発展・通信・マスコミ省による日ロ郵便事業体間の相互協力の一環としてロシア郵便と日本郵便がタッグを組んだ結果なのか?と思いました。

このロシア商品フェアonWEB2021は、ごく普通の買い物サイトの仕上がりですが、このウェブサイト立ち上げや運営に関するアドバイスには大和総研コンサルティング本部アジアコンサルティングが関わっています。一体どんな運営アドバイスをしたんでしょうか。結構なお金が動いてているんでしょ。とゲスの勘ぐりもしたくなります。なんだか国が絡むプロジェクトってどうしてこう、グダグダな感じになるんでしょうね。

рамках взаимного сотрудничества между Министерством внутренних дел и коммуникаций Японии и Министерством цифрового развития, связи и массовых коммуникаций России между Японией и Россией в марте этого года была создана Ярмарка российских товаров 2021 на WEB, и я заказал немного российского меда. Российский мед славится своим великолепным вкусом, и я хотел поддержать эту инициативу.

Почта России работает над поставками и продвижением японских товаров в Россию через трансграничную электронную коммерцию.

Sputnik Япония также сообщил: "Тот факт, что Почта России и Почта Японии работают вместе для доставки товаров, также является облегчением для отдельных клиентов". Об этом сообщили в Японии.

Но облегчения не было.

Более чем через четыре месяца, 13 июля, мед был доставлен. Я думал, что это была катастрофа с Corona, и что доставка по EMS заняла много времени, но упаковка была довольно мягкой, хотя она была завернута в petit pouffes, и как только я взял ее в руку, я услышал шаркающий звук. Когда я открыл упаковку, то обнаружил, что крышка была сделана из стекла и полностью распалась. Мед также был загрязнен стеклом, его нельзя было есть и пришлось выбросить. На упаковке не было никаких наклеектипа "Хрупкое".

На упаковке не было никаких наклеек типа"Хрупкое" и т.д. Несмотря на то, что товар был завернут в петит-пакет, я не думаю, что даже неспециалист поверит, что товар будет доставлен надлежащим образом, если внешний пакет находится в таком состоянии. Он был в таком состоянии, что я мог судить, что это неупаковка для доставки за границу. Я считаю, что отправлять картонную коробку с прокладочным материалом - это здравый смысл.

Через несколько дней после размещения заказа я получил электронное письмо с номером для отслеживания, которое успокоило меня, что мой заказ обрабатывается должным образом.

Однако номер отслеживания на прибывшей посылке был другим. Однако номер отслеживания на посылке отличался от того, который я получил. Первый номер отслеживания показывал, что мед был отправлен мне от поставщика меда в Москве 30 марта, но был дважды задержан российской таможней и отправлен обратно поставщику меда, и, наконец, 23 июня - поставщику меда в Москве.

Неужели эта компания не привыкла к международным перевозкам? Неужели почта России не оказала никакой поддержки? 

Я проверил еще один номер отслеживания и обнаружил, что он был снова отправлен медовой компанией 30 июня и прибыл к моему порогу примерно через две недели. Такое время доставки вполне объяснимо.Это, вероятно, самая быстрая служба EMS в Японии. Но, к сожалению, товар прибыл уничтоженным.

Теперь на японском сайте ярмарки русских товаров есть условия, которые позволяют запросить возврат денег, если с этими товарами возникли проблемы, и я сразу же отправил письмо на help@ru-goods.com чтобы пожаловаться. Я отправил электронное письмо с сообщением на японском языке и фотографией, показывающей поврежденное состояние.

Однако в течение нескольких дней я не получил ответа. Мне было интересно, прочитано ли письмо (или даже открыто?). Поэтому я использовал mailtracker для повторной отправки. Я повторно отправил письмо, используя mailtracker, систему, которая позволяет узнать, когда письмо было открыто. Однако почта не была вскрыта.

Когда я прочитал условия и положения, там было сказано, что RusPost GmbH, дочерняя компания Почты России в Германии, управляет этим сайтом продаж, поэтому я поискал и нашел сайт компании и снова отправил свою жалобу через раздел сообщений на сайте. На этот раз я написал его по-английски. На следующий день я получил электронное письмо с возвратом денег. Но письмо снова было ужасным.

Не было ни имени отправителя, ни приветствия, только механический ответ с результатом операции по возврату денег, вставленным в HTML.

 Адрес отправителя: noreply@ru-goods.com

Адрес отправителя был Поэтому не было необходимости отвечать. Это правда, что они рассматривают мою жалобу, но я не думаю, что они могут таким образом заниматься электронной коммерцией для японцев. Нормально ли это в России?

Является ли это результатом объединения усилий Почты России и Почты Японии в рамках взаимного сотрудничества между японскими и российскими почтовыми организациями, осуществляемого Министерством внутренних дел и коммуникаций Японии и Министерством цифрового развития, связи и массовых коммуникаций Российской Федерации? Я так и думал.

Эта ярмарка российских товаров наWEB2021 - результат работы самого обычного торгового сайта, но в ней участвует Asia Consulting, консалтинговое подразделение исследовательского института Daiwa, которое предоставляет консультации по созданию и эксплуатации этого сайта. Интересно, какой совет они им дали. Я представляю, сколько денег было вложено в это. Почему проекты с участием правительства никогда не проходят успешно?

Sunday, May 2, 2021

電流帰還型オペアンプLMH6702を用いたトランスインピーダンスアンプの製作(1)

 ゴールデンウィークとなり、仕事のことを忘れて好きなことに時間を費やせるようになりました。昨年の11月頃に電流帰還型オペアンプTI社製LMH6702を使った中波DX用のSAL(Shared Apex Loop)アンテナ用のトランスインピーダンスアンプ(ループアンテナから出力される電流を電圧に変換するアンプ)を試作していたのですが、試作1号機は残念ながら異常発振を起こしてしまい、所望のトランスインピーダンスアンプとしての十分な動作が得られず、そのまま本職が忙しくなってしまい、さらにDXペディションも終わってしまったため、この試作機は、机の片隅に追いやられてしまいました。LMH6702は表面実装タイプのオペアンプであるため、そのサイズはとても小さく、老眼の私にとって基板上への取り付けはかなりの苦労を強いられたこともあり、その結果やる気がなくなり(苦笑)時間がだけが経っていったというのが正直なところです。

Fig.1 試作1号機(異常発振に悩まされた)
Fig.1 試作1号機(異常発振に悩まされた)


 年が明け、中近用の老眼メガネに加えて、パソコン作業やデスク作業用にと、近近用のメガネを新たに作ったところ、お陰様でデスク作業での疲れが半減しました。長時間本を読んでも疲れなくなりました。そしてようやく今回、再びチャレンジをする気力が湧いて来た次第です。

 LMH6702は、電流帰還型のオペアンプであるゆえ、その動作は電圧帰還型とはちょっと振る舞いが違います。電圧帰還型のオペアンプの場合は、+入力、-入力共に入力インピーダンスは大変大きく、理想的には電流は流れ込まないとして良いのですが、電流帰還型オペアンプの場合は、-入力は数十Ω程度しか入力インピーダンスがなく、電流が流れ込むことを逆に意識しなければならないこと等が違いとして挙げられます。電流帰還型オペアンプについて、Youtubeで大変わかりやすく解説してくださっている浜田智さんの動画があったのでご紹介させていただきます。電流帰還型オペンプによる、反転アンプの動作原理が理解できました。本当にありがたいことです。

 今日は、コロナ禍でもあるため、ずっと家に引きこもって、英文のLMH6702のデータシート等を読み漁っていました。データシートを読みますといろんなことがわかります、特にLMH6702の実装において注意しなければならないことを抜粋してみると、

  • 入出力端子付近にはGNDプレーン、電源プレーンは近づけないこと
  • 寄生容量が、帯域制限の原因となること
  • 電源ピンには高周波用デカップリング・コンデンサ0.1uFをLMH6702の電源ピンの直近に取り付けてGNDに落とすこと
  • フィードバック抵抗や入力に挿入する抵抗はLMH6702の入力ピンに最短距離で接続する、これら抵抗素子の反対側は、信号源あるいはグランドまでの接続距離は適宜長くすることは可能
  • フィードバック抵抗は273Ωの時がもっとも増幅帯域を広く取れる。この抵抗値より低いとピーキングが生じ、この抵抗値より高いと増幅帯域が狭くなる
こんなことが書かれています。基板に実装する際はこういったことに注意しなければなりません。試作1号もある程度は考慮していたとはいえ、例えば入出力端子付近にGNDプレーンを近づけないような配置にできたかというと、あまり自信がありません。また、入力ピンに最短で取り付けるフィードバック抵抗や電源ピン直下に取り付けるデカップリングコンデンサーもできるだけ小さいもの、表面実装タイプのチップ抵抗、チップコンデンサーがを使うほうがよりいいのでしょう。
 しかし、言うは易しだが行い難しとはこのことで、ユニバーサル基板上でこれをやろうとすると中々大変な作業になります。またGNDプレーンや信号線の引き回しをどのようにアレンジするのが適切なのか?も色々迷いが生じます。どこかにいい手本は無いものか?

 LMH6702のデータシートを読んでみると、評価用ボードの紹介がありました。手元にあるLMH6702はSOCタイプの8ピンICで、これを評価するボードがTI社から発売されていることを知りました。それがこれ、LMH730227です。大きさは約3.9cm四方です。

Fig.2 LMH6702(8Pin SOICタイプ)の評価基板LMH730227(表)
(IC周辺のGNDパターンは取り除かれている)


Fig.3 LMH6702(8Pin SOICタイプ)の評価基板LMH730227(裏)


Fig.4 LMH6702(8Pin SOCIタイプ)の評価基板LMH730227(データシート)

 パーツのネット販売で検索してみるとDigiKeyにて1枚1300円程度で手に入ることがわかったので、早速4枚注文しました。1週間程度で配達されるようです。8Pin SOICタイプのLMH6702のピン配置は次のようになっています。

Fig.5 8Pin SOICタイプのLMH6702のピン配置

6番ピンが出力で、その隣の7番ピンが+電源になっているのには閉口しました。しかし評価基板では基板の両面を使って、お互いの信号、電源線がぶつからないようになっていますし、またICチップ周辺のGNDプレーンは削られているようです。なるほどこのパターンを真似ればいいのか! 

GW中は時間が取れるので、ユニバーサル基板と銅箔テープを使って、この評価基板に似せた基板で回路を実装してみようと思います。評価基板が届きましたら、評価基板で作ったものとの性能評価の比較をしてみたいと思います。

Friday, April 2, 2021

NICTがリリースした短波帯電波伝搬シミュレータ(HF-START)を触ってみた

2021年3月24日に国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が、任意の2地点間の電波伝搬経路をリアルタイム宇宙天気情報に基づき提供することを可能とする短波帯電波伝搬シミュレーター(HF-START HF Simulation Targeting for All user's Regional Telecommunication)をスタートさせました。そのサイトはこちら

さっそくサイトにアクセスして使ってみました。まだ若干動作が不安定で計算結果がエラーになる等の不具合があるようですが、過去の電離層電子密度分布を使って過去の電波伝搬の様子をシミュレーションすることも可能なようです。

計算に使われる電離層電子密度分布は、GNSSトモグラフィー、 GAIAモデル、および、IRIモデルがあり、

  • GNSSトモグラフィー 観測に基づく日本上空の電子密度分布
  • GAIAモデル 全球大気圏・電離圏モデルから求めた電子密度分布
  • IRIモデル 広く用いられている電離圏経験モデル。IRI-2016をHF-STARTでは使用

とのことです。まだ私もこの辺は門外漢であるため、HF-STARTのWebサイトで紹介されているリンク等を頼りに少しづつ理解を深めていこうと思っている次第です。

HF-STARTという名のとおり、周波数帯は3~30MHzであり、個人的には長波、中波帯もカバーしてもらいたいなと思いますが、NICTの担当者にお伺いしたところ、次のターゲットの周波数帯はLバンドへの適用を最優先に考えているとのことでした。中波DXや、アマチュア無線の1.8MHz帯の交信はとかく謎めいた伝搬が多いので、是非シミュレーションができるようにしていただきたいなとアマチュアながら思っているところです。

試しに前回のソーラーサイクルのピークを向えた2014年の午前11:15における東京-アメリカ・オレゴン州ポートランドの間の21.25MHzの電波伝搬の様子を各月別にシミュレーションしてみました。電離層電子密度分布はIRIモデルを使ってみました。1回の計算に約42秒程かかりました。およそ3回の反射で電波が到達することがわかりますが、季節によっては、ポートランドがスキップされてしまうこともわかります。こうやって、電離層伝搬のシミュレーション結果が簡単に参照できるようになるなんて、すごい時代になったものだと思います。NICTの研究者の方々に拍手を送りたいです。

伝搬シミュレーション結果の出力は3Dマップになっているのですが、角度を変えてみることが出来ないため、パスの方向によっては見づらいこともあります。3Dマップをマウスでグリグリ動かせるようになるともっといいですね。また送信点、受信点の緯度、経度の入力もできれば地図上でクリックすることで入力できるようになると使い勝手はさらに良くなるように思いました。



先日、この本を購入しました。 太陽活動もミニマムを抜け、今後は少しづつ活発になることが予想されています。2025年頃がピークの様子です。大きなアンテナを建てることは難しいかもしれませんが、今はFT8等を使った交信もありますし、QRPでも交信のチャンスは広がりますよね。アマチュア無線はQRTして数十年経ってしまっていますが、そろそろHF帯へのカンバックも検討したいと考えています。


https://www.swpc.noaa.gov/products/solar-cycle-progression/ より